吊し人
苦境の時ほど新しい発想が出てきます
ものごとに行き詰まっている時や試練の時は、忍耐も必要ですが考え方を変えることも必要です。冷静に事態を分析できれば、試練の時にこそ新しい発想が生まれます。
しかし試練の時に「どうして自分ばかりうまく行かないのだろう」「どうして自分だけがこんな目に遭うんだろう」・・・そう思っていたら、新しい良い発想は生まれません。全ては自分の実になり、自分のためになると思えてこそ、新しい良い発想は生まれます。
対人関係や恋愛でも、うまく行っていない時は、「何で私だけが我慢しなければならないの!」と、自分だけが犠牲になっているように思えてしまいます。しかしそう思っていたら関係を改善する良い発想は生まれてきません。
【吊し人】は吊るし上げの刑に処された若者が描かれていますが、自己犠牲を表すカードです。他人のために自己を犠牲にすることは尊いことなのだと【吊し人】は教えてくれます。
絵の解説
手を縛られた男性が木に吊るされています。
もしあなたが見せしめで吊るされているのなら、多くの人があなたによって救われます。
あなたは崇高な思想の持ち主なので、自分から進んで吊るされました。
しかし、みんなのために自分が犠牲になることは尊いことだと分かっているので、あなたは苦痛の表情をしていません。
この時間はあなたにも、救われた周りのみんなにも有意義な時間です。
あなたは頭しか働かせることができないこの時間に、新しい発想を得られるでしょう。
周りの人はあなたがなぜ吊るされているのかを知り、そして自分たちのことを振り返るでしょう。
あなたの頭に輝く光は、新たなる発想と周りへの影響力を意味しています。
しかし、あなたを吊るしている紐は非常に緩やかそうです。
あなたはこの紐を解くことができるのですが、それをしていません。
あなたはあなたを吊った人の立場をよく理解しているので、今は進んで吊るされているのです。
その証拠に、あなたを吊った人は、縄が解かれた時にすぐ歩いて行けるようにあなたに靴を履かせたままです。
あなたとあなたを吊った人は信頼関係で結ばれているので、あなたは吊るされていても苦痛ではないのです。
正位置 : 相手に尽くしましょう。自分より、まず相手です
今は相手に尽くしましょう。その相手とは信頼関係で結ばれています。
犠牲になることで、自分も、みんなも、得られるものがあります。
冷静に考え直しましょう。全く違った角度からものごとを見ることも必要です。
自分だけががんばっていると思ったら大間違いです。相手もがんばっているのに気づいていません。
逆位置 : 認識の誤りに気づき、受け入れましょう
今の考え方は間違っています。それを認めることが必要です。
相手のために尽くす、相手のために耐えることが必要なのにできていません。相手を信頼して、とことんついて行きましょう。
自分だけが犠牲になっていると思ったら大間違いです。たとえ犠牲になっていても、将来のために今はそうするべき時です。
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